パーキンソン病というのは、端的に言うと、脳の異常の為に身体の動きに障害が起きてしまう病気です。もう少し具体的に説明しますと、中脳の黒質という場所にある神経細胞が減少してしまい、大脳の奥にある線条体という場所にドーパミンを届けられなくなります。これによって動きにくくなる等の症状が現れるという病気です。中年以降に多く、症状が類似した別の病気や、薬剤の副作用と区別する必要があると言えます。表情が乏しく、声は低く単調な話方に、動作が小さくかつ遅くなり、何もしないのに手足が震える等の症状がまず片側に現れるというのが特徴的だと言えます。そしてそれが徐々に両側へ広がっていきます。歩き方は前かがみになり歩幅が狭く、腕をあまり振らなくなり、更には足がすくんだり、転びやすくなったります。また、便秘などといった自律神経の症状も伴ってきます。そしてこれらの症状、ゆっくりと進行していくというのも特徴の１つです。薬物療法が有効で、調節により長期間症状の緩和が可能です。進行した場合、転倒によるケガ・むせによる肺炎に最も注意が必要だと言えます。ドーパミンやその働きを補う薬剤を服用する事で治療にあたっていきます。１日１回内服の徐放製剤や貼り薬、自己注射薬など選択肢が増えていきます。リハビリテーションも重要で、立ちくらみには弾性ストッキングが有効です。加えて、熱中症や脱水の予防も重要です。薬剤の効果が不安定である時には、脳に電極を埋め込んで刺激するという深部脳刺激法を行う事もあります。

2020-09-15/パーキンソン病